今私たちは勉強をしている。

いや、蓮二は確かに勉強をしているが、私は多分ダレているだけ・・・。





















バラになって逃げよう





















「はぁ。」

隣で何度もため息をついたせいで、真面目にやっていた蓮二も顔を上げた。

、大丈夫か?」

「(それは何を心配しての大丈夫なんだろう・・・)まあ、一応。」

つかめないまま、私はぐったりと背もたれに寄りかかった。











「そもそもお前が日本史を選択したのが間違いだったな。」

図星なところをグサっと刺されて私は「ぐ・・・」と言葉に詰まった。





そうなのだ、蓮二の言うとおりだ。

こんなことなら世界史にしとくんだった(オイ)

あ、でもそのころまだ蓮二と付き合ってなかったし。





めくるめく回想の中。

私は愚痴トークに花を咲かせた。

「でもさ、世界史選んでも絶対ダメだたと思う。」

「まあな。」

「(何!?)なんで蓮二がそこで納得するのさ。」

は大方、カタカナを間違えて覚えて点数を落とすタイプだろう。」

「・・・。(図星)」

つーかそこを突っ込まれるとイタイじゃないの。

大体蓮二にそこ突っ込まれたくないし。

超ジャパニーズのくせしてグローバルかよ(意味不明)











「まあ日本史にしたって漢字を覚え間違えて点数を落とすからな、は。」

「・・・そうですね。(ヘコミ)」

ここまで率直に来られると落ち込む気も起きない。

と言いつつ落ち込んでる自分(・・・。)





「てそこまで言っちゃうとさー。」

「なんだ?」

「私が歴史を選択したのが間違ってるってことになりそうじゃない。」

















「・・・そこまで言ってないぞ。」

「(じゃあ何だ今の間は)・・・そうね。」

















確かにそれを言ったらおしまいだ。

私は理数系の科目なんてボロボロだし、特に秀でた教科もない(ガーン)

良いように言えば平均的、悪く言えば取り得が無い。



「あーあ。」

「現実逃避はよせ。」

「えー、逃げたいですよ、逃・げ・た・い。」



春先にこれはどうよ、と思うような冷たい麦茶をのどに流しながら、

(まあ淹れたの自分だけど)

私は足をバタつかせて講義した。















私は外部受験ではなく、立海大に上がるつもりでいるので、

大した問題は、まあこのままなら無いだろう。

でもやはり、周りのプレッシャーから逃げたいと思ってしまう。











「やっぱり世界史が良かったなー。」

「(話の展開がおかしくないか・・・)そうか。」

「そしたら蓮二に勉強教えてもらえるのにね。」

おそらく成績を考えるとクラスは違うだろうけど(・・・。)

「他の教科で教えてやってるだろう?」

「そーだけどさ。」





現国、古文、漢文。

確かに全部蓮二と一緒に勉強している。

でもせっかくここまでは一緒に勉強しているのに、大のメインが違うとは。

あ、メインは英語なのか(オイ)




















「今日は随分ご機嫌斜めなんだな。」

その発言に私は笑った。

ああ、そんな風にうつるもんなんだなぁ、やっぱり、と。

「んー、ご機嫌斜めというか、不服なだけだよ、自分の選択がね。」

「仕方ないだろう、その時は最良な選択をしたんだから。」

「ごもっとも。」






決めたのは自分だし、別に口に出しているほどイヤなわけじゃない。

ただなんだかこう、口実を作って逃げたしたくなるのだ。

私的に春に起こりがちな考え方。


























「解決法を思いついたよ、蓮二。」



私はそう言うと、ガタガタと自分の椅子をピッタリ蓮二の椅子にくっつけた。



「またそれか。」



もう慣れたと見えて、私が蓮二にお願いすることもなく、蓮二が動く。





ギュっと抱きしめてもらう。











人の体温が好きだ。




















何故こんなにも満足した気分になるのか。



























「どうだ、少しは落ち着いたか?」

頭の上から降ってくる言葉に、私は返事をする。

「まあまあ・・・もう少しだけこのままでいてくれると嬉しいな。」

「わかった。」

私のわがままをこうも聞いてくれる蓮二に感謝しなければいけない。




















もう少し大人にならなければ。





















急に体をはがされて。

何だろうと思って顔を上げると。

口を塞がれた。















唇から感じる温かさ。





















「んぅ。」

長い、と言うかわりに詰まったような声。

それに応じて蓮二も唇を離した。

そのまま、またさっきのように抱きしめられる。

されるまま蓮二の首筋に頭をうずめた。


























「俺は。」

「?」

「別にお前のことをわがままだと思ったことは無いぞ。」











その言葉を聞いて、蓮二は甘いな、とかそういうのではなく。



全てわかってくれているような気がして、相当嬉しかった。






ほんの少し泣きそうになったのでもっと強く蓮二にしがみついた。































ああ、やっぱり。

私の逃げ場はここだったんだな、と思った瞬間だった。






















○蓮二はいい人だと思います、なんかよくわかってくれてそうだ、色々(笑)
なんかイマイチ萌えませんか?ちょっと私にしては行動を起こしたつもりなんですがね(これで?)
ま、そのうち裏でも書いて革命を・・・(突発)起こせるのか・・・自分・・・。



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