対等契約 単発夢





秘密










「これに着替えたらいかがです?」

と笑顔でメイド服を渡されました。
ちょうど着替えて、あんまりにも、な服だったので手を加えようとしました。

ノックがきました(ヒィ!)

、着替え終わりました?」

むしろ、着替え終わりましたよね、どころか着替え終わって無くても入ってくるよ的な!
うぅ、貞操の危機・・・。

「き、着替え終わりましたよ。」

「じゃ遠慮なく。」

「遠慮しろ!・・・、すみません、ノリツッコミで。」

「いえいえ。お似合いじゃないですか。」

いや、えーっと。その、舐めるような視線は流石にキモ(以下略)
しかも、えーとこれ何ですか。



間合いを学ぶ訓練?



コツコツと大佐はお近づきなわけで。
あたしはずるずると後退するわけで。



「あの、あの、大佐、ほら!ルーク達も待ってるわけですし。」

背中が壁に当たった時には、正直、オイオイオイと思いましたよ、ええ。

トン、と顔の両脇は手なわけで。
そりゃ逃げようと思えば、しゃがんでなんとか逃げれたわけで。
まぁつまり、逃げなかったあたしが悪い(認めたくないけど)わけで。

「ちょ・・・。」



待って下さい、なんて間に合うはずもないわけで。
身長差から当然見上げるかたちになるわけで。
サっとメガネをはずして、くちびるが重なるまで、この人の真っ赤な目から視線なんて逸らせない。



「・・・んぅ・・・。」



背中から伝わる金属の冷えた感触。
口を割って入ってくるもの。
背筋がゾワっとして。
あたしは大佐の胸を押しのけた。



両手で口元を押さえて、半睨みで見上げるわけで。



「初対面に近い女に良くこんなことできますね・・・!セクハラじゃすまないですよ!」


彼はあの、いつもの笑顔で。


「もちろん、貴女だからしたまでですよ。」


「っ・・・!」


「顔、真っ赤ですよ。可愛いですねぇ、貴女は。」



クスクスと、耳元で笑われて、あたしはビクっとする。
この人は凄く怖い人なんじゃないかって。
一瞬頭が混乱する。



「そんなに泣きそうな顔しなくても、このことはちゃんと秘密にしておいてあげますよ。」



「・・・な、あたしがいけないみたいじゃないですか!」


グルグルな頭で必死に抗議するわけで。


「抵抗しない、貴女も十分いけないでしょう?。」



「それは・・・。」


あたしは項垂れる。


「だって、大佐のこと・・・ずっと好きでした・・・から。」



ずっとなんてわかってもらえるわけない。
あたしとこの人は違う次元の人なのに・・・。
こうして触れている腕も、温かい胸も、あたしとは決して交わるはずの無い、次元の人・・・。



「ちゃんと貴女の秘密も教えてもらいますから、ね。」



そっと頭をなでられると、やっぱり失礼ながらパパみたい、って思う。
この人はとても大人であたしははとても子どもで。



キィっと、私の前で閉まってしまう扉を見て。
あの人の背中を見て。



少しだけ、涙がこぼれたことなんて、絶対に秘密・・・。











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2005/12/28

ジェイドはドSです。あ、対等契約の名前は取ってますが閑話じゃないです。
あくまで、もしかしたらあったかもしれない1コマです(笑)ちょっと意味深すぎですよ、コレ。
や、なんかジェイドにセクハラ(それ以上だよ)のことをさせたい気分だったんです、本編重いから(・・・。)
大佐はヒロイン→大佐だってわかってていじめるといいよ。鬼畜変態エロメガネですもの(酷)