対等契約 単発夢
ダアトで迷子 イオン編
「あれ?イオン様!来てないんですか?」
「え・・・ですか?いえ、僕は会ってませんが。」
イオンはきょとんとした顔をしている。
「やっぱ先に行かせたのはまずかったな。」
「でも、あいつ止めても聞かなかったじゃないか。」
ガイとルークのやりとりに、イオンは?である。
「どういうことです?」
「導師に会う前に買い物を済ましていたんですが、は先にイオン様に会うって聞かなくて。」
「まったく、困ったものですわ、あれほどアニスに道を聞いておきながら迷子なんて。」
ティアもナタリアも呆れ顔だ。
「じゃあはここのどこかに居るんですね?僕が探してきます。」
「あ!イオン様!?」
アニスが止める間もなく、イオンは部屋を出て行ってしまった。
「しかし、も本当に困った子ですねぇ。」
「む?ここはさっき通った?あれ?おかしいなぁ。」
道を聞いたところで3歩けば忘れるは、ワープを使いながら果敢に迷子になっていた。
もう、行くべきところは全て行き、宝箱は全部開けちゃったよ、状態である(ちょっと泥棒だよ)
「しかし、イオンの部屋とか超わかりやすそうなのに、どうなってんのよダアト!
まったくもー、これもそれも全部モースのせいだっつーの、あのキツネ顔め。」
関係無い上に大分失礼な発言である。
とにもかくにも、この先は行き止まりなので、しょうがないからUターンで扉をオープン。
気合を入れなおして飛び出した。
「ぎゃ!」
「わぁっ!」
飛び出した瞬間に何かに直撃、は尻餅をついた。
イタタ、と腰をさすりながら目を開けると・・・。
「わ、イオン!わわわ、大丈夫!?どこも怪我してない!?」
「大丈夫ですから、こそ落ち着いて下さい、怪我はないですか?」
「あたしは殺したって死なないから大丈夫だって。わーん!
まさか扉の向こうにイオンがいるってわかってればこんな元気良く飛び出さなかったのに・・・!
ごめんね、イオン。・・・で、何でここに・・・?」
おろおろしながら、イオンの白に近いお洋服をはたきながら、は尋ねた。
それにイオンはふふふ、と笑う。
「が迷子だと聞いたので探しに来たんですよ。」
「え・・・ってことはみんなが先に着いちゃったの!?」
「ええ、僕の部屋で待っててくれていると思います。」
「うぅ、帰ったらお説教だよ・・・。」
はがっくりと肩を落とした。
帰ったらほぼ全員からお説教されることは目に見えていた。
でも、そんなことよりイオンが迎えに来てくれたことが、何より嬉しかった。
「わざわざ迎えに来てくれて・・・ありがとう。」
「いいえ、それより。どうしてみんなと一緒に来なかったんですか?」
「イオンに早く会いたかったのが1つでしょ、それから・・・。」
「それから?」
イオンが首をかしげる。
はバッグから綺麗に包装された袋を取り出した。
「イオンにね、プレゼント買ってきたの!」
「僕に・・・プレゼント、ですか?」
「うん、だってイオンはダアトで忙しいからね、寂しくないかな、って思って。」
は服の裾をギュっと握ってうつむいた。
導師さまにプレゼントなんておかしいんだろうか。
差し出したプレゼントを、イオンはそっと受け取ってくれた。
「・・・嬉しいです。僕、個人的にプレゼントを貰ったことなんて、ありませんから・・・。」
「そうなの?・・・そっか・・・じゃ、これからはみんなでイオンにいっぱいプレゼントあげる!」
「ふふふ、ありがとう、。」
「あ、プレゼントは後でこっそり開けてね!」
「はい。じゃ、みんなも待ってますから、戻りましょうか。」
のプレゼントを抱えて、空いている方の片手をイオンは差し出した。
も嬉しそうにその手を取る。
「うん!」
イオンと手を繋いで、は本当にくだらない話をした。
自分のこともいっぱい話した。
それだけで、すごくすごく、満たされた気持ちになった。
温かい気持ちになった。
イオンの部屋に戻れば、ジェイドをはじめほぼみんなに叱られ。
本来の予定である報告をイオンに済ませると、すぐに出発になった。
「今度は僕もにプレゼントを用意して待っていますから。」
「ありがとう、イオン!」
「みなさんも、どうかお気をつけて!」
ブンブンと手を振るアニスとに手を振って見送る。
先ほどに貰ったプレゼント。
包装を解くと小さなオルゴールが入っている。
かければ優しい音色が入っていた。
一緒に入っていた手紙を読んで、思わず顔が緩む。
「・・・ありがとう・・・・・・。」
「、イオン様にプレゼントわたせたの?」
「うん、渡せたよ。」
「良かったな、良いお土産が出来て。」
はシェリダンで職人さんに拝みこんで頼んだのだ。
どうしても、ティアの歌の音律の入ったオルゴールが作って欲しくて。
「ティアにまで我侭言って、ごめんね。」
「いいのよ、そんなこと。むしろ嬉しかったわ。」
「ふふふ、そう言ってもらえてよかった。」
イオンが、ティアの歌を懐かしくて好きだ、と言ったのを聞いてずっと思っていたのだ。
あれだけ大きなオルゴールがあるなら、もしや小さいものも、と思って相談したら。
集会所でみんなが手伝ってくれたのだ。
その旨はプレゼントカードに書いておいた。
「まったくも隅に置けませんねぇ。」
「本当だよねー。」
「あたしはイオンが大好きだもーん。」
「その素直さをもう少し他の人にも分けてあげたいですわ。」
意味深なナタリアの発言にみんなで大笑い。
ダアトを出る前にくるっと振り返って。
「いってきます、イオン。」
また、会いにくるよ。
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2005/12/31
迷子っていうよりプレゼントとかオルゴールネタですけどね!
ヒロインはイオンが大好きで大好きでしょうがないんですよ(本編でもこれは言える)
まぁそれが完全な恋愛感情かどうかは微妙なんですが。
イオンやシンクと絡ませるとヒロインが凄い子どもみたいです(18くらいの予定なのにね!)
捏造バンザイサイトなのでお許しを(オイ)・・・第三者視点?で書いたけど書きにくいですな・・・。