037. 復讐日記
俺たちはイオンに会いにダアトに来た。
はもちろんダアトも初めてで、きょろきょろしている。
ティアと手を繋いでうしろからちょこちょこついてくる姿が可愛い。
「だあとにはいおんさまがいるの?」
ティアを見上げてそう尋ねる。
「うんうん、そうよ。」
ちなみに、ひらひらフリルのついたワンピースに、帽子。
コーディネートは明らかにティア。
今もデレデレしながら返事をしているが、あれは絶対生返事だ。
背中にしょっているリュック(上を紐でキュっと閉じるやつ)はアニスが作った。
ミュウの刺繍が入っていてのお気に入りだ。
「イオンへの取次ぎは、トリトハイムさんに声かけた方がいいのか?」
教会に入って、アニスに尋ねる。
「んー、私もいるから直行しても大丈夫だとお・・・あー!」
アニスが言葉の途中で大声を上げる。
俺たちもアニスの視線を追いかける。
「まったく、一体どこに行ってしまったんでしょう・・・。
・・・ん?おや、ジェイドとその仲間達ではないですか。」
「その仲間達というのが頂けませんわね。」
ナタリアが憤慨している。
「まぁ、今日は貴方達に構っている暇は無いんですよ、
私も忙しいのでね、まったく・・・ん?あーーーーー!!!」
今度はディストが大声を上げた。
「だー!うっせぇな!何だよ!」
視線の先を追いかければ、ティア・・・じゃない、下がって。
?
「ちょっと貴方達だったんですね!うちのを誘拐したのは!!」
「おいおい、あんなところに置き去りにしていったヤツのセリフとは思えないぞ。」
ガイが呆れている。
当の話題の中心、は。
「ぱぱげんき?」
と、のんきなことを聞いている。
相変わらずコイツをパパって呼ぶのが頂けない。
(母上と父上のことはおかあさま、おとうさまと呼んでいる)
「ええ、ええ、もちろん元気ですよ。(デレデレ)」
コイツがこういう態度に出ると正直キモい。(酷)
「さて、イオン様のお部屋に行きましょうか、アニース、さぁ、先陣を切って下さい。」
「はーい、大佐!」
ジェイドといい、アニスといいディストを無視して話を進める。
「待ちなさい!まだ話は終わってませんよ!は返してもらいます。」
「冗談じゃないわ、ちゃんと面倒も見ないで。」
ティアも怒っている。
「そんなに騒ぐなら何故きちんと連れて歩かなかったんですの?」
「・・・そんなことをしたら・・・。」
妙に落ち込んでいるディスト。
「そんなことをしたら・・・?」
アニスがうずうず聞き返す。
「六神将にバレるじゃないですか。そうなれば、あまつさえ可愛いが、
シンクだとかヴァンだとか、リグレットだとかアッシュだとかに(ブツブツ)
(略)
ともかく、何をされるかわかったもんじゃないでしょう!・・・って!」
気がつけば置き去りにされているディスト。
「キィィ、覚えてなさい、復讐日記にしっかり書きとめておきますからね!!」
一方そのころ俺たちはというと。
ディストに付き合っているうちに、がふらふらどっかに行ってしまって困っていた。
「詠師トリトハイムもご存じないと仰っていたわね。・・・私のせいだわ、うっかり手を放して・・・。」
ティアが頭を抱える。
「まぁ、大丈夫だよ。建物からは出てないみたいだし。とりあえずイオン様に会いに行ってみよう。」
「・・・・・・。」
「おーい、ルーク。行くぞ。」
「あ、ああ。」
好奇心旺盛でどこに行ってもきゃっきゃしてるだ。
こんな迷路のような場所で迷子になったかと思うと・・・。
うおおお、俺のが!!(苦悩)
「あーあー、ルークが遠くに行っちゃってるよ。」
「まったく、には振り回されてばっかりですね。」
「大佐、そんなこと言って面白がってるじゃないですか。」
「ええ、面白いですから。」
「・・・。」
「でもなぁ、が興味を持つような物なんてあったか・・・?って、痛ぇ・・・!」
俺は、頭痛にゲッと思った。
アッシュだ。
(オイ、レプリカ!お前はどうした!?)
まったく、都合の良い時ばっか俺の目使いやがって。
しかも一瞬でが居ないってわかるのかよお前・・・(遠い目)
「今迷子になったんだよ。ダアトから出てないからとりあえずイオンに・・・。」
(ふざけやがって!に何かあったら承知しねぇからな!
ええい、お前らだけに任せてられるか、俺も行く!)
「おい!アッシュ!?」
ブチっと回線を切られた。
「話の内容から想像は付くが・・・アッシュのヤツ何だって?」
「俺に怒って、そんでアッシュも探しに来るってさ。」
一同(一体何処から・・・。)
「アッシュが来る前に見つけちゃった方がいいよ、絶対。
ただでさえ煩いもん。」
アニスは中々酷いと思う。
とりあえずイオンの部屋に。
ノックして、どうぞ、という声を聞くと同時に急いでドアを開ける。
「なぁ、イオン・・・っていう女の子が・・・ん?」
視線の先には、イオンの机でお店を広げて遊んでいる。
「!良かった、導師のところに来ていたのね。」
ティアも一安心だ。
「でも、は合言葉を知らなかったはずだろ?」
「ええ、下のワープの輪のあたりで遊んでいるところでお会いして、
せっかくだったのでここにお連れしました。」
ルークの妹だそうですね、と爽やかに笑うイオン。
「ああ、まぁ、話すと長いんだが・・・。」
俺はイオンに事の経緯を説明した。
「そうでしたが・・・ディストが。(・・・後でシめておかなければ)。」
「(今何か恐ろしい言葉が聞こえた気がするが黙っておこう byガイ様)」
はそんな話はまったく興味なしで。
イオンの机の上でクレヨンとらくがき帳、おやつセットを散らかしている。
「ほらほら、。報告が終わったら出発ですわ、机の上を片付けましょう。」
「あい。」
ナタリアが手伝っての荷物をリュックに仕舞う。
一同デレデレだ。
「まぁ何はともあれ、が無事見付かってよかったじゃないか。」
「、どこかに行くときは。必ず私達と一緒か、誰かに言うのよ?」
「ん、わかった。」
コクコクと頷いている。
「さて、話はまとまったことですから行きましょうか。」
「またね、いおんさま。」
「ええ、またいつでも来て下さいね、。」
俺たちはイオンと別れて教会の外へ。
「しかし、今後も気をつけないと、も案外天然だからなぁ。」
「ふむ、返事は良いのですが、わりと抜けているところがあるといいますか・・・。」
「そうそう、まったく誰に似たんだろうね・・・って、アレ!」
アニスが前方を指差す。
ダッシュして向かってくるアッシュ(・・・。)
俺が声を掛けようとする前に、が駆け出した。
まさかもう見付かっていると思っていなかったらしいアッシュは驚いて、
「あっしゅおにいちゃんだ!」
と、ガバっと飛びついたに思いっきり驚いていた。
「!!無事だったか!怪我はないか?妙なことはされて無いだろうな!?」
アイツ俺たちのこと何だと思ってんだ・・・。
「んー?いおんさまにきゃんでぃーもらったの。えへへ。」
「そ、そうか。・・・しかし、侮れんな導師・・・。」(鼻血出そう。)
アッシュが鼻を押さえているのを哀れというか、自分を見ているようというか、
俺たちは生ぬるい笑顔で見ている。
「お、お前達なんだその顔は!」(照れ)
「まぁ、照れなくてもいいじゃありませんか。は可愛いですもの。」
ナタリアがツッコみを入れている。
・・・まぁ何はともあれ、無事見付かってよかったわけで。
アッシュが実は、ベルケンドからわざわざギンジにアルビオールを飛ばしてもらった、
って話は後でスピノザから教えてもらったわけだが、
とりあえず今日の日記はこれで終わりにしておこう。
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2006/1/27
最近お題の意味が本当になくなってきましたが。それはさておき!(え?)
このシリーズで誰か視点にするの難しいですね。
むしろ解説風の方が面白いかもしれません、今度それで行きます。
ちなみにこのシリーズではイオン様が黒いので。
今頃ディストは復讐日記どころかイオン様にイジメられてると思います。(アハハ)<酷
アッスはルークも可愛いけど、妹にデレデレです、デレデレ(笑)長男は苦労が耐えないといいよ(酷)