030. 同調フォンスロット









*この話から、ルーク→アッシュでも便利連絡網が使えるという、しょうもない捏造設定になっています。(超勝手)





(おーい、アッシュ聞こえるか?)

ベルケンドの宿屋で優雅にコーヒーを飲みながら本を読んでいたアッシュのところに頭痛が一件届いた。

(うるせぇなレプリカ野郎、俺様は今忙し・・・。)

(え?なんだアッシュ忙しいのか、の面倒見てもらおうと思ってたんだけど、
仕方ないから、イオンにでも頼むかなぁ。)

(・・・グランコクマだな、そこを動くんじゃねぇぞ!)

アッシュは急いで宿を出るとアルビオール3号機に向かった。





「え、おい!アッシュ!・・・もう、勝手に切るなよー!!」

便利連絡網を勝手に切られて、ルークが文句を言う。

「結局アッシュが来るんでしょー?」

「ああ、あいつ忙しいとか言っておいて、のことになるとすぐこれだもんなぁ。」

「なーに?」

自分の名前が出ると興味津々に見上げてくるを、ルークが抱っこする。
ルークの発言に、その場に居た全員が、「お前もだ!」とツッコみたいところだったが、
生憎、全員、自分にも思い当たる節があるのでツッコめない(・・・。)

「仕方がありませんわ、可愛い妹のことですもの、アッシュの気持ちもわかるのでしょう?」

ナタリアがうんうん、と頷く。

「まぁ、そりゃわからなくないんだけど。」

「貴方もアッシュに構ってもらいたいのね。」

「ばっ、ちげーよ!!」

ティアは呆れ顔、ルークは猛烈に騒いでいる。
そんなこんなで、グランコクマ入り口で待っていると、アッシュが猛スピードで突入してくるのが見えた。





「来てやったぞ。」

「あっしゅおにいちゃん!」

昨日ピオニーにもらったぴよぴよサンダルを、まさにぴよぴよさせながらアッシュのところに走り寄る
元気だったか?と言いながら抱っこするアッシュ。

「な、なんだその目は。」

一同(やっぱルークとアッシュ、中身も似てるというか、なんと言うか・・・)

「まあまあ、いいじゃないですか。私達はこれから陛下と一緒に会議に出席しなければならないのですが、
さすがにを連れて行けないので、貴方にお守りをお願いしようと思いまして。」

軍事会議にを連れて行って、騒ぐとか、泣くとかその心配は無いのだが、
全員満場一致で、が退屈するのは可哀想だという意見になり、ルークがアッシュに連絡したのだ。
最も、最後まで渋っていたのは陛下だったが・・・。

「宿は取ってあるわ、アニスがお昼ご飯も用意してあるし、メモも残しておいたから、頼むわよ、アッシュ。」

「ああ、わかった。」

が絡むと素直になる、アッシュに呆れつつ、別れを名残惜しむルークを引っ張るティア。

「ほら、行くわよ。」

「うう・・・、また後でな。」

「うん、いってらっしゃい。」

にこにこと見送る
ティアとガイに引きずられるようにして去っていくルーク。





アッシュは抱っこしていたを降ろして、手を繋いで歩く。
ぴよぴよと靴の音がする。昼御飯のこともあるので、二人は宿屋に向かった。

「ごはん、ごはん♪」

と、うれしそうに歌うに、とりあえず用意されていた花柄のペーパーナプキンを首にかける。
がもくもくと食べている間、ティアが用意したメモを眺めるアッシュ。

1、お昼御飯のとき、はまだスプーンが上手に使いこなせないので、ちゃんと様子を見ること。

それに目を通し、顔を上げればぽろぽろと零したライスを指で拾って、皿の端っこによけている。
顔をみれば、ほっぺたに御飯粒。

。」

「う?」

御飯粒を拾うのに夢中になっていたが顔を上げる。
ほっぺたに付いていたお弁当を取って、自分の口に入れるアッシュ。

「あっしゅおにいちゃん、ありがと。」

やっておいって自分で照れるアッシュ。
しょうがないので、スプーンで、にあーん、させて御飯を食べさせる。
心臓に悪い昼御飯終了。
ティアのメモの続き。

2、お昼御飯が済んで、少し休んだら絵本を読んであげること。

ご丁寧に絵本が用意してある。
ベッドに腰掛けて、を膝に乗せる。
読んでいる途中途中で、が、顔を上げる。

「うしにんはたべられるの?」

とか、

「うしにんのおようふくがほしいね。」

とか、

「あっしゅおにいちゃん、うしにんにあったことある?」

など、と元気良く話しかけてくるだったが、
流石に、読み終わる頃には、目を擦っていた。

3、絵本を読み終わったらお昼寝させること。

これに従って、を寝かせる、うっかり自分も転寝(添い寝)するアッシュ。
目を覚まして少しすると、も起きた。
起きてからははおとなしくお絵描きをしている。

「あっしゅおにいちゃん、おさんぽ!」

「手は放すなよ。」

4、が一人遊びに飽きたら散歩に連れて行くこと。

相変わらずサンダルをぴよぴよさせていると手を繋いで、グランコクマを散歩。
景色は悪くない。
宿屋に戻るところで、ルーク達が帰って来た。





「アッシュ!助かったよ。」

「フン、じゃあ俺は行くからな、きちんとの面倒を見ろよ。」

それだけ言うと、の頭を撫でて行ってしまうアッシュ。

「相変わらず素直じゃないな、また面倒見てやる、とか言えばいいものを。」

ガイが笑う。

「アッシュがそこまで素直になったら気持ち悪いよ(酷)
文句言わないだけで十分って感じ。あれ?、襟のブローチどうしたの?」

の襟にうさぎのブローチがくっついている。

「あっしゅおにいちゃんにかってもらったの、あそこで。」

が指差す先は、ファンシーな雑貨屋。

一同(・・・アッシュ・・・。)

「よ、よかったわね、。」

「うん!」

終始上機嫌の





ちなみに、ジェイドの誘導尋問でアッシュの行動が筒抜けになり、
(御飯粒の件やら添い寝の件やら、もういろいろと。)
後ほどみんなに責めたられた、というのは言うまでも無い。













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2006/2/2

アッシュは何回か鼻血出そうになるのを堪えたと思います(酷)
ルーク(達)は、わりと一緒に居る時間が長いので大分慣れてますがアッシュは・・・(笑)
何だかもう話がむちゃくちゃですね・・・!やっぱり、誰か視点で書かないと、案外難しいですね・・・。
文章って難しいです、本当に・・・orz